美しい雪景色のなかで迎えた
2021年はじめての「筆甫たたら製鉄」。
平成14年からスタートして今年9月で19年目、
今日は73回目にあたるそうです。
作業は、まだ暗い6:00頃から始まるのですが、
今回は鉄を取り出す頃を見計らい昼過ぎからお邪魔しました。
この場に立つといつも胸が高鳴るような気持ちになるのは
炉から立ち上る美しい炎のせいでしょうか。
1000年以上の歴史を持つという日本古来の製鉄法「たたら製鉄」。
地元の粘土などでつくられた炉で
砂鉄を原料、炭を燃料にゆっくり時間をかけて、
砂鉄を還元して鉄をつくるそうです。
砂鉄の中に含まれる不純物がどろどろと出てきましたー!
鉄がどんな状況かを長年の勘で見定めながら
炉を崩すタイミングを見計らいます。
上部の煙突状の部分を取り外し、
地元の粘土などで手作りした炉を崩していきます。
ここだけ切り取ると
火山地中のマグマのようですね。
ここから鉄部分だけ取り出すため、
土の中に入れて、ゆっくり冷まします。
ある程度冷めたら(素手はまだまだあつーい!㊟)
ハンマーで叩いてみます。
音がちがいますっ!
そしてみじんに砕ける不純物と違い、鉄はいくら打っても堅い!
磁石にくっつけば合格。
地道に鉄と不純物を選別して、
5kgの鉄を取り出すことができました!!!
昔はこの製鉄をこなして、刀や農具などを作っていたのですから
どれほど、ひとつひとつの道具が貴重だったかが分かりますね。
日本の誇るべき製鉄技術&文化。
これを甦らせることは、
事前準備から当日の工程を考えても本当に大変なこと。
それを気持ち合う仲間たちと20年近くも
楽しみながら挑戦し続けられるって、本当に素敵なことですね。
この場に来ると気持ちが高鳴るのは炎のせいだけじゃんない。
皆さんの無邪気な熱意と真剣なまなざしに
大人になっても忘れちゃいけない
わくわくを分けてもらっているからかもしれません。
@りん
ジブリ映画「もののけ姫」に登場する
「たたら場」=「たたら製鉄」のことで、
映画は、島根県の「菅谷たたら」がモデルになったそうです。
その地域それぞれに製法も原料も純度も少しずつ違うのでしょうね。
鉄の世界も奥深いとしみじみ。