現在は石垣のみ残っていますが、昔はここに「佐野製糸場」がありました。
1885年、政商小野組で東北地方での養蚕業を担当していた佐野理八が、1874年の小野組破産後、すでに経営していた福島二本松製糸場を譲り、交通の便がよく、養蚕が盛んな金山に戸長の協力で独力で製糸場を創建。1886年、フランス製最新製糸機械を導入し、操業を開始。年間3000貫の生糸を生産、博覧会で優秀賞を受け、国内外、欧米までにも知られるようになりました。
しかし、大正中期以降は世界的不況で県内絹糸工場は厳しい環境に陥り、佐野製糸工場も昭和12年に完全に閉鎖しました。