昔は丸森には修験者(山伏)のいる修験寺が沢山あり、不動尊境内にある愛敬院(本尊:不動明王)もその一つです。もともと修験宗とは役小角(えんのおずぬ)を祖とする古い仏教の一派で、護摩を焚き経文を唱え、祈祷を行い、自らは難行苦行を重ね、神験を習得することを業とし、かつては人々の願いを神仏に祈る仲立ちを行っていました。
愛敬院は一旦廃寺となりましたが、この寺の別当寺としていた不動堂が新たに愛敬院として引継ぎ、地区の人たちに守られて栄えてきました。
愛敬院の山門として文化・文政のころに建てられたといわれている仁王門は町の指定有形文化財になっており、のちに義民といわれた菊地多兵衛が浄財を集めて建築寄進したものと言われています。
※ 菊地多兵衛:文化・文政のころ、村の世話役であった多兵衛は百姓の年貢や村償い(臨時の出人夫)の負担が大きい窮状を直接仙台藩の歩目付に訴え、牢に入れられました。自分を犠牲にして、村人の身代わりになった多兵衛は義民として語りつがれています。
毎年、薄紫色の小さい花をつける「ヒメシャガ」が境内を賑わせています。(※開花時期:5月上旬)
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