2025.3.9
名所体験

小斎伝統 奉 射 祭(やぶさめ)

今年で復活第35回を迎える、小斎伝統の奉射祭(やぶさめ)。
382年前に始まり、一年間の天候を占い、五穀豊穣と地区内の安全を祈願するとともに武術の錬磨や精神鍛錬を目的として行われてきた歴史ある行事です。

3/8には前夜祭では、10名の弓士たちは精進潔斎のための合宿を行います。
辺りが暗くなってきた頃、寒さが厳しくなる中でまずは水垢離(みずごり)が行われました。

冷水に肩まで浸かって耐える様子を、地域の皆さまも見守ります。

3/9の本祭も、この水垢離から始まりまして、その後は開会行事が執り行われます。
そして御神的神事が開始になります。

御神的神事は鹿島神社の神主が目隠しをして、桑木の弓につがえたヨモギの矢を的に放ち、命中した場所で月ごとの天候を占います。
白い場所なら「晴れ」、黒い場所なら「雨」、矢が外れた場合は「風」がちな天候となるそうです。
今回はかなり「雨」の月が多かったのですが、最近雨不足なので良い占いが出たのかもしれません。

その後は6年ぶりに復活した巫女舞。
大勢のお客さまの前で、地元の子どもたちが大役を果たしました。

そして見事な装束をまとった弓士たちの登場となります。
今回の弓士には、高校生が3名参加。
また県外では岩手県、奈良県の方が弓士として参加されたそうです。

はじめは大的射礼。
大的に向けて10人で60本の矢を射ります。

的中数は60/60。
お見事な結果です。

次に行われるのが、かりがねの的射礼。
「かりがね」は、古来より害鳥とされており、その的を狙って、10人で100本の矢を射ます。
28m離れた30cmの的を狙うので、難易度は高くなります。

眼光鋭く、狙うはかりがね。

矢が指先から放れ、的に向かっていく瞬間、弓士たちはどのような心持ちなのでしょうね。

難しい射礼だけあって、的中すると歓声が湧きおこります。
今回は19本の的中となりました。
その後は、子どもの弓士体験が行われ、古くからの伝統に親しんでもらいました。

そんな奉射祭ですが、多くの地域住民がイベント実施に協力しています。
車の誘導や送迎、会場では受付やお振舞いなどなど。
今回も美味しい小斎米のおにぎりと、大鍋で調理された豚汁がお振舞いされました♪

会場にはピザやコーヒーのキッチンカーを始め、焼き鳥やわたあめなどの出店販売もあり、辺りでは奉射祭を見に来た子どもたちが楽しそうに過ごしていました♪

地域の皆さんの力がなくては、守り続けられない大切なもの。
今後も弓士たちの勇壮な姿を見続けたいと、改めて思いました。


@まと