小斎地区で毎年3月第2日曜日に開催される「小斎伝統 奉射祭(やぶさめ)」。
今年も、10日に無事執り行われました。
本祭が行われる前日の夕方からは前夜祭があり、地元の方々が今年の主役たちに激励を送りにきていました!
前夜祭で行われるのは「水垢離」です。
弓士たちは今日からから1泊2日で精進潔斎の合宿を行っています。
この日は日中に16℃まで気温が上がり温かな日ではありましたが、水温は手を入れておくのも躊躇う程の冷たさ。そんな中でも弓士たちは怯むことなく豪快に挑んでいきます。
肩まで浸かるとグッと歯を食いしばって耐える姿に、周りからは励ましの声と温かい拍手が送られました。
水垢離のあとは駆足といって、境内の周りをぐるりと走ります。
冷えた体に冷たい空気はさぞ堪えるでしょう…
ここでは、かつての弓士たちも参加。
儀式を行う間は、終始地域の方々のサポートがあります。
ここで、前夜祭は終了。
弦月が夜空で鋭く輝く中、夜は更けていきました。
明けて、10日。本祭が始まりました。
まずは「御神的神事」で、目隠しをした宮司が12本の矢を入り当たった場所で一年の天候を占います。
続いては、地域児童による「巫女舞」です。
この日のために練習を重ねた舞は、一糸乱れず美しく観客を魅了していました。
未来の弓士育成にも力が入っているこのお祭りでは、「子ども奉射祭」が行われました。
こうしている間に、弓士たちはお祓いなどの儀式を受け、本番への準備を着々と進めています。
いよいよ、弓士たちが登場!
代替わりが行われ、今年は2名に新人弓士が参加しました。
まずは、10間(約18m)離れた、径5尺2寸(約1m58㎝)の的に向かい矢を射る「大的射礼」が行われ、60本中すべての矢が的に当たりました。
続いて行われたのが、15間(約28m)離れた径1尺(約30㎝)の的を射る「かりがねの的射礼」。
害鳥とされた「かりがね」を射るこちらは100本の矢を射り、18本が的中しました。
どの弓士の方々も神事に向かう姿は真剣そのもの。
その緊張感がひしひしと伝わってきました。
そして今回は弓士の中に耕野地区の地域おこし協力隊の川部幸太さんの姿がありました。
ひとつのお祭りを地域の住民全体で作り上げ継承していく中で、地域の垣根も超えて交流が生まれていく様子に、これからの小斎地区の未来を垣間見たような気がしました。
来年は復活してから30回目の節目を迎えますが、40回も50回も永遠に伝統が受け継がれていくといいですね。
@とみー
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